診療情報管理士とは、診療記録および診療情報を適切に管理し、そこに含まれる情報を活用することにより、医療の安全管理、質の向上および病院の経営管理に寄与する専門的な職業です。
診療記録に含まれている情報は診療の継続、医療従事者の研究および教育・病院経営、公衆衛生上、大変重要な情報です。その価値を最大限発揮させることができるよう公的な記録として管理します。
具体的な業務内容は、退院後の診療録の回収、点検、製本、情報の登録と提供、統計の作成(ICD-10・ICD9CMを使用)です。当院では、日々の退院カルテの点検とは別に入院カルテの多職種監査を行っています。事務部門、看護部門、リハビリ部門など各部門の担当者が入院記録を読み、評価項目に従って評価をつけます。監査結果は担当医師また院内全体に共有され診療記録の質向上に努めています。
当部署では、上記の業務以外にもDPCに関する業務を行っているのが特徴です。 DPCとは従来の「出来高払い方式」とは異なり、入院期間中に治療した病気の中で最も医療資源を投入した一疾患を対象に厚生労働省が定めた1日当たりの定額の点と手術やリハビリ等のDPCにより包括されない出来高評価部分を組み合わせて計算する方式です。また、DPC参加病院として調査データの作成と提出も求められます。
①DPC医療資源病名1の決定支援
最も医療資源を投入した一疾患は医師の診断に基づき決定されます。その際、より適切な病名決定を行うため、診療情報管理室では厚生労働省のDPC/PDPS傷病名コーディングテキストを元に医事課と連携を取りながら医師の医療資源病名決定支援を行っています。
②DPC様式1の作成
DPC様式1とは、カルテからの匿名化情報として入院患者様の主傷病名、入院の目的、手術術式等約100項目に上る情報を調査データとしてDPC調査事務局へ提出が求められているものです。診療情報管理室ではカルテを読み取り情報の集約と入力内容のチェックを行いDPC様式1の作成を行っています。